第423章 異変

最後に席に着いたのは篠崎司だった。彼は上座に腰を下ろすと、優雅な所作で隣の桜井昭子を細やかに気遣う。

食卓では誰一人として口を開かず、ただ食器が触れ合う微かな音だけが響いていた。

江口美月が姿を現したのは、まさにそんな時だった。

執事に案内され、彼女がダイニングルームへと足を踏み入れる。

「美月ちゃん?」

桜井昭子は、まさかこの時間に彼女と顔を合わせることになるとは思ってもみなかった。

江口美月が望月延の実家へ挨拶に向かったことは知っている。それなりに距離があるはずで、どう考えても日帰りで戻って来られるような行程ではないはずだ。

篠崎修斉がいち早く顔を上げた。彼は身を起こそうと反...

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