第48章 差が大きすぎる

今日のように、まだ身内でもない義弟のためにわざわざこんなことをするなんて、一体桐山霖のためなのか、それとも桜井昭子のためなのか?

桜井昭子が家に入ってきたその瞬間から、篠崎司の視線はまるで彼女に貼り付いたかのようで、篠崎修斉は気にせずにはいられなかった。

「兄さん、まさか本気で桜井昭子を好きになったんじゃないだろうな?」篠崎修斉は深刻な顔つきで、その目には憂いが満ちていた。

この問いを、彼は一度ならず投げかけていた。

誰が恋に落ちようと構わないが、篠崎司だけは駄目だ。

篠崎司は珍しく柔和な表情を浮かべ、グラスの中の澄んだ赤ワインを見つめながら、逆に問い返した。「もし本当に好きになった...

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