第78章 私たちは関係ない

辰巳星羅は眉を上げ、彼女の顎を掴んでじっくりと観察した。

先ほど古川蘭の頬を十数回も平手打ちにしたせいで、その顔はひどく赤く腫れ上がっており、軽く触れられただけで古川蘭は思わず息を呑んだ。

「やっぱりやめときましょうか。今のあなたのその様じゃ、行っても私の商売の邪魔になるだけだわ……」

彼女の言わんとすることは、桜井昭子だけを連れて行く、それ以外は誰が口を挟もうと無駄だということだった。

古川蘭の顔色が一気に険しくなり、すぐさま電話をかけ、篠崎司に状況を報告しようとした。

しかし、桜井昭子が彼女より一足先に警察に通報し、辰巳星羅を女性の不法売買、及び売春組織の罪で直接告発した。

辰...

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