第12章

「私のことに口出ししないで」

宝生知優はサングラスをかけ直すと、前に立ちふさがる林原裕樹を乱暴に押しのけ、そのまま大股で歩き出した。

「へえ、そういうことかよ」

林原裕樹は顔を真っ赤にして追いすがり、背中に向かって嘲るように吐き捨てる。

「宝生知優……俺、見る目なかったわ。結局お前も、ああいう金目当ての女と変わらねえじゃねえか。金さえ出せば何でもするんだろ? 俺は金ならいくらでもある。腐るほどな」

耳を塞ぎたくなる言葉が飛び、いつの間にか野次馬が増えていく。

「やっぱりねえ」

「金で転ぶタイプでしょ」

「最低……」

宝生知優へ向けられる指先と囁きは止まらない。

少し離れた...

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