第17章

「わかった。他に用は?」

宝生知優は振り返って訊いた。

鈴崎潤は答えない。宝生知優は自分の寝具を抱えたまま、床にぽんと放り投げる。迷いも未練もない動きだった。

それを見て、鈴崎潤も思わず彼女を見直した。

「じゃあ、寝るね」

そう言うなり、宝生知優は布団にするりと潜り込み、身体じゅうの力が抜けたようにふうっと息を吐いた。頭までぐいっと被って、そのまま眠りに落ちる。

部屋の空気が、また静まり返った。

鈴崎潤は相変わらず目を閉じない。ベッドに半身を起こしたまま、灯りに切り取られた横顔だけが浮かぶ。言葉にしがたい、孤独と寂寥。

時間が、じりじりと過ぎていく。

ようやくいくつか腑に落...

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