第19章

「潤くん、車で待っててくれる? すぐ戻るから」

宝生知優は、鈴崎潤がここまでついてくるとは思っていなかった。正直、少し意外だ。

それに――不機嫌そうな顔が、場違いなくらい浮いている。

鈴崎潤はふっと視線を上げ、彼女の顔を一瞥してから淡々と言った。

「君の祖母さん、こんなところに入ってるのか」

宝生知優は頷き、きっぱり答える。

「ここ、安いんだ」

鈴崎潤は眉を寄せた。宝生家が大富豪とは言わないが、家族をこんな雑然とした施設に入れなければならないほど困窮しているとも思えない。

「宝生隆教ってやつ、奥さんの身内にはずいぶんケチなんだな」

宝生知優は否定しない。むしろ同意するみたい...

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