第44章

「……ふん。クソ男」

白眼のひとつでもくれてやりたい。

胸の奥がむしゃくしゃしていた。けれど、鈴崎潤に当たるべきじゃないことくらい、知優だってわかっている。

――わかっているのに。

彼が双葉知世に付き添うため、彼女とのパーティーを断った。そう思った瞬間、喉の奥に小さな棘が刺さったみたいに、どうにも居心地が悪い。

いつもなら、最低限の挨拶くらいはする。

けれど今は、そんな気分になれなかった。

宝生知優は淡々と立ち上がり、スカートの裾が彼のズボンの端をかすめたまま、真っすぐ浴室へ向かう。

鈴崎潤は、知優に冷たくされるのに慣れていない。

ひととおりシャワーを浴び、ベッドに腰を下ろ...

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