第45章

丸一日が過ぎても、宝生知優は鈴崎潤に一通のメッセージすら送らなかった。

夜、退勤の時間になって――彼女のスマホがふっと明るく光る。

画面を開いた宝生知優は、一瞬固まった。

鈴崎潤からの通知。

書斎にいる本人は、かなりの時間うじうじ迷った末にようやくスマホを取り出し、画面を叩いた。

だが文章を打っては消し、打っては消し――結局、残ったのはたった一行。

「いつ帰る」

宝生知優は口元をつり上げ、からかってやろうとした。

しかし次の瞬間、笑みを引っ込め、氷みたいに冷たい返事を送る。

「すぐ。何か用?」

鈴崎潤はその末尾の短い文をじっと見つめ、薄い唇をきゅっと結んだ。瞳の底に不快が...

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