第47章

電話口から聞こえてきたのは、継母――渡島仁美の声だった。

「知優、うちもずいぶん長いこと、家族そろって集まってないでしょ。週末さ、鈴崎潤さんも連れてきて。一緒に食事でもしましょうよ」

やけに明るい口調。その奥に、断れない命令が混じっている。

宝生知優はまぶたをわずかに持ち上げ、興味なさげに返した。

「無理。時間ない」

言い逃れた瞬間、相手の声が跳ね上がる。

「鈴崎家に嫁いだからって、この家のことはもう眼中にないってわけ? そもそも、こっちの後ろ盾がなかったら、鈴崎家があんたを選ぶはずないでしょう」

宝生知優の唇の端に、かすかな冷笑が掠めた。

渡島仁美は相変わらず短気だ。数言で...

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