第49章

宝生美久瑠は、鈴崎潤の彫りの深い端正な横顔を見つめるほどに、抗いようもなく惹きつけられていった。

さっき食卓で宝生知優が身につけていたジュエリーを思い出す。どれもこれも、軽くひと財産はする代物だ。

だからこそ、胸の奥の憎しみが、さらに濃くなる。

――あの宝石も、そして鈴崎潤も。本来なら自分のものだったはずなのに。

「お義兄さん~」

甘ったるく、くねるような呼び声。

それだけで鈴崎潤の意識を、見事にこちらへ引き戻した。

宝生美久瑠は、わざとらしく身体を寄せる。鈴崎潤は横目で彼女を見て、薄い唇に露骨な苛立ちを滲ませた。

「宝生さん」

冷えた声だった。

「近い。話すのに、そこま...

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