第56章

午前1時。

宝生ミクルがようやく、しぶしぶながらも釈明文を出した。文面は苦し紛れで、肝心なところは巧みにぼかしている。

すべては「誤解」だった――そういう結論に押し込んだ。

世論は一気にひっくり返る。

さっきまで宝生知優を叩いていた連中が、今度は罪悪感を抱えたまま彼女のアカウントに押し寄せ、こぞって謝罪コメントを残し始めた。

その結果、宝生知優には「申し訳なさで推しになった」みたいな層まで生まれた。

一通り片がつくと、宝生知優は疲れきった身体を、柔らかな大きいベッドに沈めた。

無意識に隣へ手を伸ばす。――空っぽ。

鈴崎潤、まだ帰ってないの?

眠れない。少し待とう、そう思った...

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