第16章

ピンク色は艶めかしさを、百合は純潔を象徴している。私はもともと純潔の百合だったが、今やその花は変異し、純白から艶めかしいピンク色へと変わってしまった……心の中には吐き出したいことがたくさんある。だが、知り合いに聞かせるわけにはいかない。おそらくここでしか、心の全てを書き出すことはできないだろう。友人に向かって悩みや憂鬱を打ち明けるように。

私はピンク百合と言う。魅力的な容姿と気品を持っていると自負している。結婚前も結婚後も、私に艶めかしい好意を示す男性は数えきれないほどだった。でも私には幸せな家庭がある。家族のために懸命に働き、私を深く愛してくれる夫。可愛くて天然な息子の浩太。そして年老い...

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