第195章

スマホの着信音に、がばっと目を覚ました。画面には中島からの電話。ということは、もうすぐ家に着くのだろう。この電話は、その前に何かを言い含めるつもりなのかもしれない。

中島と結婚してからというもの、父と中島は、まるで影のようにいつも一緒だった。もともと父のスマホも、実質ずっと中島が持ち歩いていて、着信表示でも父の番号は中島の名前で登録されている。けれど、今のこの電話に、応じるだけの気力が自分にあるだろうか。

着信音は鳴り続けている。けれど、視線は自然と窓の外へ向かっていた。この角度からだと、マンションの敷地の門が見える。ふと、三つの人影が見えた気がした。

海子がトトの手を握り、その反対側...

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