第198章 IFストーリー

 海子の足音が、ゆっくりと、しかし確実に近づいてくる。そのたびに、海子の身体とあのウェディングドレスとの距離も、じりじりと縮まっていった。

 父の願いを叶えてやりたい――そんな気持ちがまったくないわけじゃない。だが、ウェディングドレスを着て父と式を挙げるなんて、さすがにそれは、私の中の最後の一線を踏み越えてしまっている。

 海子と父がセックスすること自体を飲み込んだだけでも、私としては十分すぎるほど譲歩しているつもりだ。どうすればいい、どうすれば――。

 ウェディングドレス姿で父と並ぶ海子なんて、見たくない。目を閉じてしまいたい。そもそもどうして、今夜こんな場所まで来てしまったのか。心...

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