第208章 IFストーリー

「ねえ、今夜は……寝室で一緒に寝ない?いいでしょう?」

寝室に戻ってくるなり、海子がそっとそう言ってきた。

その笑みには、かすかな懇願が滲んでいる。

「その前に、少し話をしようか。いいかな」

彼女の言葉には答えず、私はそばのベッドのマットをぽんぽんと叩き、そこに座るよう促した。

「え……う、うん……」

海子は一瞬きょとんとした顔をする。

私が目を覚まして記憶を失ってから、自分からこうして話をしようと言ったのは、これが初めてだ。

その違和感に、彼女自身も気づいているのだろう。ただ、その正体までは、まだ掴めていないようだった。

「私たちがどうやって知り合って、どうやってここまで...

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