第212章 IFストーリー

海子は必死に身体を起こして立ち上がり、私たちはゆっくりと階段を降りていった。これからどうすればいいのか、私にも海子にも、見当なんてつかっていない。家に帰るべきなのか。あそこは、まだ私たちの家と言えるのか。私たちはもう、法律上はまったくの他人だ。今の私にできるのは、家に戻って荷物をまとめることだけ。財産は全部海子に渡すつもりでいるが、それでも身の回りの物くらいは持っていかないわけにはいかない。

海子の身体はもう、ぐったりと力が抜けていた。今の彼女には、泣く気力さえ残っていないように見える。血の気のない顔は真っ青で、まるで別人のようだった。私たちはあてもなく車に乗り込む。表面上の私は冷静を装っ...

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