第219章 IFストーリー

「パパ、ママどうしちゃったの?」

浩太が今にも泣き出しそうな目で、心配と悲しみを滲ませながら問いかけてきた。

「大丈夫だよ。ママはちょっと病気になっちゃっただけ。何日か休めば、すぐ元気になるから……」

私は目尻をぬぐい、無理に笑顔を作って浩太にそう言った。

「患者さんはかなり興奮状態です。本来なら、この量の鎮静剤で、とっくにぐっすり眠っているはずなんですが……今もなお、なんとか意識を保とうとしているんですよ」

主治医はそう説明しながら、私の顔を見てから、ベッドの海子へと視線を移した。その目には戸惑いと、ほんのわずかな感嘆が混じっている。もちろん、その感嘆は海子の強靭な意志に対しての...

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