第233章 IFストーリー

 夜も更けてきたころ、私はベッドに寝転がり、スマホをいじりながら海子を待っていた。画面をタップしてはいるものの、意識はほとんど上の空だ。胸のどこかがそわそわと落ち着かず、早く海子が戻ってこないかと、さっきからそのことばかり考えている。

 この数日のあいだ、自分で自分の心にふたをしていたつもりだった感情が、じわじわと熱を帯びてせり上がってくるのを感じて、私はようやく気づいた。あの歪んだ欲望は、決して消えたわけではなかった。ただ、見ないふりをしていただけなのだと。

 いつもなら、この時間にはとっくに片づけを終えて自室に戻っているはずだ。けれど今夜の海子は、台所や居間を行ったり来たり、終わりの...

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