第293章 IFストーリー

 監視カメラの映像の中で、海子の様子をじっと見つめる。あの子の目には、どうしようもなく募っていく欲と、それを必死で押しとどめようとする迷いが、ないまぜになって揺れていた。欲望とリスクが、胸の中でせめぎ合っているのが手に取るように分かる。

 一方その頃、父はといえば、ただおとなしく自分の部屋で待つしかなかった。もし過去のあの「教訓」がなければ、とっくに自分から海子の部屋へ転がり込んで、迫っていただろうに。

 時間は、じりじりと容赦なく過ぎていく。海子は長いあいだ悩み続け、やがてふうっと小さく息を吐いた。諦めたのだろう。顔にはどうしようもない未練と、やりきれなさが浮かんでいたが。

 その後...

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