第296章 IFストーリー

 この映像を見て、やっぱりと思った。海子の言ったとおり、昨夜ふたりは最後までしてはいなかったのだ。

 間に挟まっていたのは、紛れもなくこの私だった。もし昨日、私が家にいなかったら――あのふたりはきっと、最後までいっていただろう。

 海子は最初から最後まで、ずっと心のどこかで私のことを考えていた。そのせいで完全には“その気”になりきれないでいた。一方で父は、最初こそ緊張していたものの、欲望が高まるにつれて余計なことを忘れ、ただ海子の身体を味わうことだけに集中していた。男は下半身で物事を考える生き物だと言われる理由が、これほどよく分かる場面もない。

 だが最後の瞬間、海子が私の話題を出した...

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