第309章 IFストーリー

 映像の再生速度を上げていく。画面の中では、海子が私のために昼食を用意している。そのあと父に軽く挨拶をしてから、弁当を持って会社へ向かっていった。だが、あの昼飯を私は結局口にしなかった。夕方になり、海子が自分で会社まで様子を見に来るまで――。

 海子が弁当を届けに出かけたあと、父はどこか寂しそうだった。昼間の海子の反応――あの目覚めた直後の、あまりにも緊張して取り乱した様子。それが全部私に起因していると分かった瞬間、父の胸中には強い嫉妬が湧き上がったのだろう。あれほど何度も体を重ねてきたのだから、自分も彼女の心の中である程度の場所を得たはずだ――父はそう信じていたはずだ。だが、海子が私に向...

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