第311章 IFストーリー

時間は淡々と過ぎていくのに、父はずっと、私と正面から向き合おうとしなかった。

いずれは元の生活に戻るつもりなら、父との間にできたこの溝も、どこかで埋めておく必要がある。そう考えた私は、数日置いてから、もう一度こちらから電話をかけてみることにした。

父が電話に出た瞬間、その反応はあまりにも意外そうで、声にははっきりと緊張が滲んでいた。私が「会って話がしたい」と告げると――どこまで察したのかはわからないが――父の声は、さっきよりも低く、重くなった。

予約したのは、前と同じ店の、前と同じ個室。

話す内容も、前と同じ「海子」のこと。

違うのは、前回が「始まり」の話だったのに対して、今回は「...

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