第32章

蓮は再び目の前のコーヒーを手に取り、一気に飲み干した。

これ以上長居する気はない。車のキーを掴み、このレイクサイドレジデンスを後にして、神谷邸へと車を走らせた。

夜、知意は航に送られて別荘地へと戻ってきた。

リビングに足を踏み入れるが、そこには誰もいない。

微かに食事の匂いが漂っているものの、ダイニングテーブルの上はすっかり片付けられていた。

鈴木の姿もない。

知意はそのままキッチンへ向かった。

キッチンは綺麗に整頓されていたが、調理台の隅に、ラップをかけられた彼女の分の夕食が置かれている。

ラップを剥がすと、そこにあったのはすっかり冷めきった小さな茶碗一杯の白米と、しなびた...

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