第48章

彼女の視線は、無意識のうちにダイニングテーブルの反対側に座る蓮へと向かっていた。

彼は相変わらずうつむいたまま手元の資料に目を落としており、この言い争いなど自分には一切関係ないと言わんばかりだ。

照明の下に浮かび上がる彫りの深い横顔はひどく冷酷に見え、口を開く気配は微塵もない。

知意は視線を外し、瞳の奥に宿っていた光をすっと消した。

この一件は、突き詰めれば清香と無関係ではない。

蓮が自分のために、清香の非を責めるはずがなかった。

彼女の口元に自嘲の笑みが浮かび、そのまま押し黙る。

「まあいいわ。起きてしまったことを今さら言っても仕方ないでしょう」

冴子は、黙って耐え忍ぶ知意...

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