第73章

知意は顔の水を拭き取り、ドアを押し開けて外へ出た。

少し離れたところで悠太の手を引いていた梨々香は、彼女の姿を認めるなり駆け寄り、その顔をじっと覗き込んだ。

目元はまだほんのりと赤いものの、表情はすでに落ち着きを取り戻している。

「知意……」

知意は首を横に振り、無理に笑顔を作った。

「本当に、もう大丈夫」

梨々香が何か言いかけたとき、悠太が駆け寄ってきて知意の足に抱きつき、小さな顔を見上げて尋ねた。

「おばちゃん、どこに遊びに行くの?」

知意はしゃがみ込み、優しい声で問いかける。

「悠太はどこに行きたい?」

「遊園地!」

悠太は目を輝かせ、小さな手で彼女の指を握って振...

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