第11章

浅沢瑶は祖母の耳元に増えた白髪と、その目に浮かぶ隠しきれない愛情を見つめていた。「晃と離婚したい」という言葉が何度も喉まで出かかったが、結局、口にすることはできなかった。

自分を心から愛してくれる唯一の肉親を、こんな残酷な事実で傷つけることなど、どうしてできようか。もし西園寺凛がここにいれば、呆れ果てて言葉も出ないだろう。だが、これがマゾヒスト特有のマイナーな嗜好であり、虐げられなければ生きていけないのだと考えれば、妙に納得がいく。

瞳の奥で涙が滲んだが、浅沢瑶はそれを必死に堪えた。

泣いてはいけない。お祖母様の前で、少しでも弱い姿を見せるわけにはいかないのだ。

うつむくと、自分の冷...

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