第118章

一方、人波に紛れる盛岡晃は、宴会場に足を踏み入れた瞬間から、その鋭く深い視線で会場中をくまなく探しまわっていた。

北詰裕児の傍らに立つ、月白のロングドレスを身に纏い、霜のように澄み切った冷ややかさを放つ浅沢瑶の姿を捉えた瞬間、彼の呼吸は不意に詰まった。

とりわけ、彼女が長谷川薫と肩を並べて立ち、あろうことか北詰宗則と親しげに言葉を交わしているのを見たとき、胸の奥で嫉妬の炎が再び野火のように燃え広がった。

無意識のうちに、彼女のもとへ歩み寄ろうと足を踏み出した。

「盛岡社長、お久しぶりですな!」

事情を知らぬ財界の重鎮がグラスを片手に歩み寄り、盛岡晃の行く手を遮った。

重鎮はにこや...

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