第39章

翌日、浅沢瑶はいつも通り会社へ向かった。

洗練されたスーツに身を包み、完璧なメイクを施して、すべての感情をプロフェッショナルでよそよそしい仮面の下に隠している。

まるで昨夜の出来事が、自分とは無関係な悪夢にすぎなかったかのように。

会社のエントランスホールに足を踏み入れた途端、華奢な人影が近づいてきた。

「瑶」

宇佐美萌は計算し尽くされたような笑みを浮かべ、親しげに歩み寄ってくる。だがその視線は、少し青白い彼女の顔を値踏みするように這った。

「昨夜はよく眠れた? 晃もそうだけど、出張から戻ったばかりなんだから、もう少し休めばいいのに」

その言葉には、「自分たちこそが身内だ」とい...

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