第105章

八朔総司の脳裏に真っ先に浮かんだのは、鴉崎響が連れてきたその人物が、あの「悪い女」に違いないという確信だった。

彼の眉間には即座に皺が寄り、瞳の奥に怒りの色が走る。

前回はあいつにおしっこをひっかけてやったが、今回はもっと凄い方法で懲らしめてやらなければ気が済まない。

彼はすぐさま絨毯から這い起きると、ドアの隙間にしがみつくようにして外を窺い、飛び出すタイミングを図った。

しかし――鴉崎響の後ろに続き、ゆっくりとリビングへ足を踏み入れたその姿を認めた瞬間、彼の全身が凍りついたように動かなくなった。

来る日も来る日も焦がれ続け、写真の中で擦り切れるほど見つめてきたその顔。

ママだ。...

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