第116章

八朔総司は興奮した様子で、自分の小さな手首を掲げて見せた。

「心ちゃん、僕も持ってるんだよ。でも……悪いおじさんに隠されちゃったんだ。見つけたら、こっそり電話するからね!」

それを聞いた心ちゃんは、大きな瞳をさらに輝かせ、パチパチと小さな手を叩く。

「うん、うん! お兄ちゃん、番号覚えてね。152……だよ。電話してね!」

しかし、興奮して手足をバタつかせていた心ちゃんの動きが、不意に止まった。

愛らしい顔が不自然に紅潮し、呼吸が荒くなり始める。

「おばちゃん、心ちゃん……なんだか、苦しい……」

「心ちゃん!」

画面の向こうで天ノ川夢乃が即座に異変に気づき、顔色を変えた。

「...

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