第117章

「親に逆らうなんて! とんでもないことよ!」

琥珀千紗は激昂し、手元の茶器を床に薙ぎ払った。

ガシャーン、と陶器が砕け散る音が耳をつんざく。

「あの親不孝者が、あんなクズのために……」

その時、月見光がおずおずと部屋に入ってきた。

床に散乱する破片と、琥珀千紗の鉄面皮のような顔色を見て、彼女は心の中でほくそ笑んだ。

だが表面上は、より一層怯えたような表情を作る。

「伯母様……」彼女は恐る恐る口を開いた。「どうか……どうかお気を静めてください。お体に障りますわ……」

月見光の姿を認めると、琥珀千紗の怒りはさらに燃え上がった。彼女は胸をかきむしるように嘆いた。

「見てちょうだい...

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