第130章

月見華は手を洗っていたが、その言葉を聞くと、悠然とした動作でペーパータオルを一枚抜き取り、丁寧に水を拭き取ってから口を開いた。

「哀れな人ね。他人を貶め、月見光に媚びへつらうことでしか、自分の存在価値を見いだせないなんて。

でも残念ね。月見光はいま自分のことで手一杯よ。あなたのゴマすりなんて、愚かで安っぽいだけ。それに、私が犬かどうかだったかしら……」

彼女はくるりと振り返り、有無を言わせぬ圧迫感を込めた視線を相手に突き刺した。

「少なくとも私は、あなたみたいに無能な癇癪を爆発させたりはしないわ。ねえ、私たち二人、どっちが『負け犬』に見えるかしら?」

「っ、あんた!」

暁雨羽唄は...

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