第154章

水無月雫は、彼女がまるでにべもない様子なのを見て取ると、瞳をくるりと巡らせ、ふいに声を潜めた。

「華ちゃん。あなたが華ちゃんってことは知ってるわ。心にたくさん悔しい思いを抱えてることも……分からないことがたくさんあることもね。この古いお屋敷には、秘密がいっぱい隠されているのよ」

月見華はジュースのグラスを持ち上げた手をわずかに止めたが、それでも彼女を見ようとはしなかった。

水無月雫はそれを見て、さらに声を潜めた。

「たとえば……本館の三階、廊下の突き当たりにある、ずっと鍵のかかっている部屋……中に何があるか、気にならない?

義姉さん、聞いちゃったのよ……あそこには、あなたに関係する...

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