第155章

彼女はきびすを返し、覚束ない足取りでドアへと向かった。

自分で調べるしかない。そう心に決めて。

「待て!」

背後で鴉崎響が低く唸るように言った。

「なぜ急にそんなことを聞く? 誰かに何か言われたのか」

月見華は一瞬立ち止まり、背中を向けたまま、幽霊のように頼りない声で答えた。

「この前……お義母様が電話で話しているのを……偶然聞いてしまって。ただの好奇心よ」

言い捨てると、彼女はドアを開け、振り返りもせずに部屋を出て行った。

頭の中がぐちゃぐちゃで、どうやって車を運転して自宅まで戻ったのか、記憶さえ曖昧だった。

機械仕掛けの人形のように寝室へ入り、手にはあの一枚の古びた写真...

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