第157章

月見華は冷水を幾度も顔に浴びせ、胃の底からせり上がる強烈な不快感を洗い流そうとした。

鏡の中の自分は、滴る水滴と共に血の気を失っている。その姿に、苛立ちが募る。

いつになったら、この悪夢から解放されるのか。

それに、この体の不調は一体何だ? ここ数日、頻繁に吐き気が襲ってくる。

あの時、確かに薬は飲んだはずなのに。

考えても仕方がない。あんな男の言葉に心を乱されてはいけないのだと、彼女は自分に言い聞かせた。

鏡に映る自分を見つめ、長い沈黙の後、ようやく呼吸が整う。

乱れた髪と襟元を直し、彼女はドアを開けて外へ出た。

鴉崎響は、まだその場に立ち尽くしていた。

彼女が出てくるの...

ログインして続きを読む