第232章 喧嘩した

「どこでも好きなところに住めばいい! とにかく、俺は今日この家には泊まらないからな! どうしたって一度戻って荷物をまとめなきゃならないし、どんなに急いでも引っ越すのは明日だ!」

藤原太郎の口調には、隠しきれない苛立ちが滲んでいた。

小林美穂は少し考えた。ここには布団すらない。もしこのまま泊まれば、一晩で風邪を引いてしまうだろう。

そう思い至り、彼女は慌てて口を開く。

「わかったわよ! じゃあ戻って一緒に荷造りして、明日引っ越し業者を呼んで全部運んでもらいましょう!」

そこまで言ってから、彼女はさらに付け加えた。

「で、うちにはまだいくらお金が残ってるのよ!」

藤原太郎は途端に警...

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