第289章 病院へ向かう

警察は高橋祐介に書類のサインを求めた。署名を終えると、高橋祐介は担当の警察官に視線を向けて尋ねた。

「これで、義母を連れて帰ってもよろしいでしょうか」

警察官は書類に目を通し、こくりと頷いた。

「ええ、結構ですよ」

許可を得た高橋祐介は、小林美穂の方を向いて口を開いた。

「お義母さん、帰りましょう。すぐに病院へお連れしますから」

小林美穂の胸の内は高橋祐介への怨嗟で煮えくり返っていたが、今はもうぞんざいな態度を取る勇気はなく、愛想笑いを浮かべるしかなかった。

「いいお婿さんね。足が折れちゃってるから、ちょっと支えてちょうだい」

高橋祐介は頷いて小林美穂のそばに歩み寄った。鼻を...

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