第296章 孤児院に戻る

やがて、二人の乗った車は孤児院に到着した。

高橋祐介は車を道端に停め、記憶と寸分違わぬ正門を見つめながら、深い感慨にふけっていた。

まるで自分がまだ幼い子供のままで、少しも成長していないような錯覚に陥る。

孤児院に初めてやって来た日の光景は、今でも祐介の脳裏に鮮明に焼き付いている。

両親を不慮の事故で亡くし、孤児となって街を彷徨っていたあの年。天使のように舞い降りた小林院長が彼をここまで連れてきて、この門を指さし、優しい声でこう言ってくれたのだ。『さあ、お家へ帰ろうね』

その心温まる光景は、何年経とうとも祐介の心に色褪せることなく残っている。

過去の思い出を辿るうち、自然と祐介の...

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