第322章 違う

「恢咲子、まずは自分が豊かになってから他人を助けるべきです。自分が生きていけない状態で誰かを助けようとしても、何の意味もありませんよ。だから、もっと自分を大切にしてください。私たちは苦労を重ねてきた人間です。家族もおらず、頼れるのは自分だけなんですから。自分のために生きていれば、それでいいんです」

高橋祐介は極めて淡々とした口調で言った。

その言葉を聞いて、恢咲子は思わず涙をこぼした。

「高橋祐介、お前はそうやって俺を説得するばかりで、どうして自分ではそうしないんだ?知ってるぞ、小林院長が病気になった時、お前はかき集められるだけのお金をすべて小林院長に渡したじゃないか。あの時、どうして...

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