第350章 誰の車か

「今日は運が良かったな。じゃなきゃ、確実にぶち殺してるところだぞ!」

江里口剛は悪態をつきながら、有馬友幸を思い切り蹴り上げた。そして車のキーを取り出すと、フェートンのドアを開けた。

意識を失いかけていた有馬友幸だったが、相手が勝手にドアを開けて乗り込むのを見て、急に焦りが込み上げてきた。

「なんで俺の車に乗るんだよ!」

有馬友幸は咆哮を上げ、這うようにして江里口剛の足元へすがりつく。

江里口剛が反応する間もなく、有馬友幸はその両足にがっちりと抱きついた。

今の有馬友幸は全身が泥と血にまみれており、見るも無惨でひどく薄汚い。

激怒した江里口剛は、容赦なく有馬友幸を蹴り飛ばした。...

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