第54章

実際、藤原家はすでに混乱し始めていた。

下請けの工事作業員たちは契約終了を知ると、すぐに本社にやってきて全ての給料の支払いを直接要求した。

以前、昌栄グループから受け取った前払い金はすでに材料費に全て使われてしまっていた。

今の藤原グループは空っぽの抜け殻同然で、支払う資金など全くなかった。

さらに取引先もこの噂を聞きつけ、次々と契約解除を求め始めていた。

しかし、藤原家の当主がまだ意識を取り戻していないため、今はなんとか押さえ込んでいる状態だった。

だが、それがいつまで持つのか、誰にも分からなかった。

高橋祐介は藤原家が以前の高慢な姿から、今や人々に蔑まれる存在へと変わってい...