第105話

アルファ・ニコラス

アルファ専用フロアに足を踏み入れた瞬間、俺の体は即座にリラックスし始めるのを感じた。両親と少し話した後、父さんは彼女と娘たち、それに護衛たちを俺のラウンジから、そしてこのフロアから連れ出してくれた。俺がメイトと二人きりの時間を必要としていることをはっきりと察してくれたようで、ありがたい。父さんは去る前に、俺のフロアに続く階段の下に護衛を配置させると言い張ったが、それに異論はない。

護衛たちは俺たちの、もっと重要なことには俺のメイトの保護のために十分近くにいるが、同時にメイトと二人きりの時間を邪魔しない程度には離れている。彼らが今警護している階段は、このフロアへアクセス...

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