第109話

ボニー

ロッティの口からあの言葉を聞いて、胸が痛まなかったと言えば嘘になる。そしてニックも同じ気持ちだと、ひしひしと感じられた。今すぐ彼女に言いたいことは山ほどあるけれど、ここはニックに任せるべきだと感じ、ぐっとこらえた。

彼は深く息を吸い込み、ロッティの瞳をじっと見つめたまま口を開く。「もしそれが本心なら、そう、それを聞きたい。何が起きているのか、その真相を突き止めなくちゃならない。君が口にするのがどれだけ辛くても、僕たちが聞くのがどれだけ辛くてもだ」。ニックは冷静を保とうとしているが、彼の感情がぐちゃぐちゃなのが伝わってくる。「それで、それは本心なのか?」

彼女はさらに涙を拭いなが...

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