第16話

ボニー

「メイト!」

え……? リリーの口からその言葉が飛び出した瞬間、私ははっと彼女の方を振り向いた。あまりの衝撃に言葉も出なかったが、その言葉を発したのがリリーだけで、他の誰でもないことに気づく。「理解できない……」ガンマのジェームズが、私の、そしてきっとここにいる全員の心の声を代弁した。「メイト! 私のメイトはどこ?」リリーの狼であるレインは激怒している。でも、その気持ちはわかる。

「まあ、俺じゃねえな」とジェームズが言う。

「俺でもない。残念だがな」ウィルがぶっきらぼうに言った。

「私じゃない」私のメイトが言う。思わず呆れてしまいそうだ。

「俺でもねえよ」リリーをここまで...

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