第28話

アルファ・ニコラス

森に入った途端、俺は立ち止まって自分を呪った。一体何を考えていたんだ、ボニーのそばにロッティーだけを置いてくるなんて。確かに、彼女は自分とボニーを守るのに十分すぎるほど有能だ。それに俺の群れの中では、二人以上に安全な者はいないだろう。だが、俺の土地にはまだボニーの父親と姉がいる。あいつらを、俺はこれっぽっちも信用していない! あの二人は俺の人生で最も大切な女性たちであり、彼女らを守るのが俺の務めだ。もちろん母さんのことも愛しているが、母さんにはいつも親父がついて守っているから、それほど心配する必要はない。

幸い、ここにはウィルがいる。俺のガンマである彼の仕事は、戦士た...

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