第64話

ロージー

過去と辛い記憶を追体験すると、その悲しみのあまり全身が疼く。あの頃に戻ると、胸が押し潰されそうになる。私がすでに彼らに話したことでさえこれなのだ。それなのに、ある意味、まだ話の最悪の部分にさえ達していない。

私の……メイトがそっと手を握ってくれたことで、私は部屋に意識を引き戻される。女神様……それがとても心地いい。魔女たちがここでメイトを見つけるだろうと言った、と話した時、私は嘘をついていなかった。でも、まさか自分のメイトがトニーだなんて、私の姉のかつてのメイトだったなんて、予想もしていなかった。あまりにも出来すぎた話だ。

もちろん、メイトが誰であろうと、敵のように扱われ...

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