第66話

ボニー

ニッキーの部屋に戻って、あんなにも途方に暮れた彼の姿を見るのは辛かった。私が彼と出会った瞬間から、彼は善悪はともかく、自分の言動すべてにいつも自信を持っていた。けれど、彼の寝室に着いたとき、その姿は自信とは程遠かった。途方に暮れ、心配そうな顔をしている。そんな彼を見るのは嫌だった。ロージーの話を聞くのは胸が張り裂けるようだった。それに、私たちがまだ知らないことがもっとたくさんあるのは分かっている。いずれ、彼女がそのことについて私たちの中の誰かに、たとえそれがトニーだけであっても、安心して話せるようになってくれるといいな。

彼がバスルームに消えるのを見届けた瞬間、レキシーがすぐさま私...

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