第12章

佐倉寧々が以前海外の翡翠展示会に参加した時、木村川を見かけたことがあった。

彼女はその時とても不思議に思った。理屈から言えば、この時間帯に彼は芳華で彼女を待っているはずだったのだから。

そこで、彼女は考えるまでもなく思わず口にした。

「ねえ、スポンサー変えたの？」

木村川はその時何か言ったのだろうか？

佐倉寧々には覚えていない。とにかくその晩、彼女はまた巨額を投じて、木村川を買い戻した。

今思えば、自分は目の前の玉を見抜けなかったと感じる。

それも後悔している。

彼女は描き上げた設計図を持って盛宇グループの支社ビルの下に来た。支社は本社ほど壮大ではないが、それでもS市のランド...