第41章 彼氏が倒れたのに、気にしないの?

西尾美月が果物の盛り合わせを持って階段を上ろうとしたとき、下りてくる松見和也を見かけた。彼女は笑顔で声をかけた。「和也」

松見和也は彼女を完全に無視し、そのまま立ち去った。

彼は本来なら彼女がここに来ることを禁じていたが、彼女は中村彩音を頼りにして、ずっとここに居座っていた。

中村彩音は松見和也のこの態度を見て、怒りが込み上げてきた。「和也、いつまで美月に対してそんな態度をとるつもりなの?たかが野良種一人のためにそこまでする必要ある?」

松見和也はひどく眉をしかめ、足を止めると冷たく警告した。「もう一度誰かがここで『野良種』なんて言葉を口にしたら、即刻出ていってもらう」

「あなた!...

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