第48章 篠崎沙耶香が探る

松見和也は決して優しい人間ではなく、むしろ紛れもない悪魔だった。

西尾美月は松見和也の背後に立ち、怖くて何も言えずにいた。

彼女は俯いたまま、目の前のこの使用人の愚かさを心の中で罵り続けていた。

使用人はまだ泣き喚いて騒がしい音を立て続けていた。ドアの外の二人のボディーガードがすぐに入ってきて彼女を引きずり出した。西尾美月の傍を通り過ぎる際、使用人は助けを求めるように西尾美月の服を引っ張った。

西尾美月は歯を食いしばり、平然とした様子で横に一歩踏み出した。

廊下では、篠崎沙耶香が二人のボディーガードがドアを開けて入った瞬間を狙い、素早く近づいて中を覗き込んだ。一...

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